スパイニージャイアントアサシンバグの飼育

スパイニージャイアントアサシンバグ~ Psytalla horrida~

仮面ライダーの悪者みたいな昆虫、スパイニージャイアントアサシンバグの飼育を始めました。アサシンバグ、訳すと暗殺蟲になるわけですが、サシガメという和名なら聞いたことある方もいるんじゃないでしょうか。ヨコヅナサシガメなんか有名ですよね。

カメムシ目カメムシ亜目のサシガメ科に分類されていますが、カメムシと違って完全な肉食です。小型の昆虫や無脊椎動物の体に口吻を刺し、消化液を注入して吸うという独特の食事方法を取ります。

ちなみに刺されたらむちゃくちゃ痛いらしいです。もちろん刺されたことはありませんが、口吻からの消化液だけでも強力な感じがします。タランチュラの毒とは系統が違うような気がしますが、気をつけて扱いましょう。

スパイニージャイアントアサシンバグは南アフリカ(トーゴやカメルーン)に生息し、成虫で3~4.5cmほどになります。

価格としては比較的高く、わたしがお迎えしたものは幼虫5匹で18000円くらいでした。

魅力はなんといっても棘(トゲ)のついたボディと、独特の捕食です。かっこいい。また、多頭飼いができるというのも面白い点です。

飼育のコツとしては1ヶ月に一度くらい床材をきれいにする必要がある(食べ残しでダニが湧きやすいです)。たまに物凄い酢の匂いがする。恐らく消化液の加減でしょう。また、他のサシガメより湿度を好みますのでしっかり床材を湿らしましょう。

スパイニージャイアントアサシンバグの飼育

南国フルーツのような見た目をしています。タランチュラの飼育とは違って多頭飼育です。プラケース小に鉢底ネットを丸めたものを入れ、週に2回くらい、レッドローチを5匹(アサシンバグと同数)放り込んでいます。

こういう投げ込み式の給餌はちょっと心配(脱皮直後に齧られるなど)だったのですが、今の所大丈夫です。

スパイニージャイアントアサシンバグもつるつるの壁は登れないようですが、基本鉢底ネットにへばりついていて、地面にいることは稀です。樹上性なのでしょう。

あと、他のアサシンバグ。ベニモンオオサシガメやシロモンオオサシガメはかなり乾燥系なようですが、スパイニージャイアントアサシンバグに関しては湿度がいるようですね。床材を軽く湿らせています。

飼育設備的にはタランチュラ飼育と同じように、パネルヒーターやピンセットを使っています。

スパイニージャイアントアサシンバグ脱皮しました

このように鉢底ネットを丸めて足場にしています。大体ここで過ごすことが多いですね。樹上性なのかもしれません。餌は投げ込み式、つまり生きたレッドローチをそのまま放り込んでいます。減ってきたら足す感じで。大体、個体と同じか少し多いくらいの数です。

さて、結構頻回に脱皮してくれています。

これがスパイニージャイアントアサシンバグの脱皮殻です。一気に3匹も脱皮してくれていました。このままアダルトになり、ブリード成功させたいものです。

スパイニージャイアントアサシンバグ羽化!!

初の羽化です。なんて美しい虫なんでしょうか。トゲが本当にかっこいいです。

大きめの幼虫をお迎えしたのですが、羽化まではそんなに難しくありませんでした。比較的丈夫で飼いやすい虫ですね。飛ぶこともなく、プラケの壁を登ったりもありません。動きもタランチュラに比べたら速くなかったです。

餌も投げ込み式(生きたレッドローチを放り込んでおく方法)なので楽です。ただ、レッドローチがいつ捕食されるかわからないので大きめのメスを放り込むと卵を産んでプラケの中でレッドローチが孵化しちゃったりしますので、放り込む餌のチョイスは必要でしょう。

また、食べかすを取り除くことも重要で、放置するとすぐにダニが出てきますシンプルなレイアウトで時々リセットしていくのがいいのかもしれません。

ちなみにですが、怖いので一切素手では触れていません。

次はブリードだぁ!!

羽化ラッシュ

羽化の瞬間を撮影できました。右下に転がっているのが殻です。どんな虫も羽化時は繊細なので、そうっと放置しておきます。

じゃん!1日置くと立派アダルトに!!これで合計3匹のアダルト個体となりました。

折りたたまれた口吻が見えるでしょうか?あれを突き刺すわけです。それにしてもかなりパンキッシュな見た目ですね

かっこいい。残り羽化待ちが1匹です。オスメス揃っているんでしょうか…。なんとかブリードさせたいところです。

スパイニージャイアントアサシンバグの卵

お迎えから数ヶ月経ち、なんとか卵をゲットすることができました。土中に産みますが、それほど深いところには生んでませんでした。光沢のある黒い卵で、上部に白い蓋がついています。

現在5つの卵を管理しています。管理といってもプリンカップに濡れたティッシュを敷き、温室に入れいるだけですが…。

スパイニージャイアントアサシンバグの孵化成功

10個くらいの卵をプリンカップで管理していたのですが、それらは孵化せず。親と同じ飼育ケースの中に産まれていた卵(おそらく10個以上)から幼虫が続々と孵化してきました。

卵確認から3週間くらいかかったと思います。一気に10匹ほど生まれていました。

よく飼育されている乾燥系のアサシンバグ(サシガメ)と違って、スパイニージャイアントアサシンバグは多湿を好むようです。常に床材を湿らせています。

餌はレッドローチ。今のところベビーの捕食はみられません。親と多頭飼育できるのはなかなかに面白いところです。

タランチュラの飼い方

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