ネットショップなどで売られているタランチュラのほとんどが幼体(ベビー)です。成体も売られていますが、爬虫類と同じく手間がかかった分高価になっています。
高価な成体を購入するのも良いですが、初心者はいきなりお金をかけられません。1500円ほどでスタートできるタランチュラのベビーでタランチュラ飼育を始めてみましょう。
目次
タランチュラには樹上棲・地表棲・地中棲の3種類がいますが、タランチュラのベビーのケージ(飼育容器)は基本的にプリンカップにしています。
ただ、そのまま使用するのではなく通気をよくするために、上面と側面に目打ちやキリなどで穴をあけることを忘れないようにしましょう。
・蒸れると死んでしまいます。
・餌の食べ残しなどから腐敗ガスが発生し死ぬことがある。
自然界では広いですからこの2点はクリアできますが、飼育する場合はこちらで対応しなければなりません。
※キリや目打ちがなければ100均でも売ってますし、ドライバーセットにも入っています。また押しピンやコンパスの針を利用するのもいいと思います。
さて、どうしてプリンカップがいいのか。
・透明で中が確認しやすい。
・容器が小さいのでタランチュラベビーが餌を見つけやすい。
・安価。
・どこでも手に入る。
・重ねておける(タランチュラを飼い始めると数が増えます笑)。
・加工が容易。蒸れがひどいようなら穴を増やしたりができます。
このあたりが理由です。
ベビーは小さいですので、レイアウトにこだわっても仕方ありません。それよりもメンテナンスのしやすさを優先させましょう。
タランチュラベビーの床材は、おもにパームマットで大丈夫です。
ヤシのカラを細かく砕いたもので、保湿性にすぐれています。カブトムシなどのマットでも良いのですが、カブトムシマットは腐葉土が基本ですのでダニが湧いたり、腐敗ガスが発生したりとリスクがあります。
タランチュラのベビーはカブトムシより繊細なので一種類のみのマットの方が安全です。より安全に配慮して折りたたんだティッシュのみで管理されているベテランの方もいるようです。
ティッシュなどで管理すれば食べカスはすぐにわかりますし、汚れたらそのまま捨てることができますが、ベビーの扱いに慣れていなければ脱走される恐れがあります。
また、保湿性が高くないため湿度の管理も難しくなりますから、やはり目の細かいパームマットがおすすめです。
タランチュラベビーを飼育するのに温度は25度~30度までが良いでしょう。30度を越えると危険かもしれません。夏の直射日光は避けましょう。
また、冬はパネルヒーターなどで温める必要があります。数が少なければ発泡スチロールの箱で簡易温室などを作成して管理しましょう。
ベビーの間はどの種も湿度高めがおすすめです。しかし、霧吹きはあまりオススメしません。プリンカップは小さいですから霧吹きに驚いて走り出すことがあるからです。スポイトやシリンジ(注射器)で床材を半分湿らせる感じが良いでしょう。
そうすれば好きな方にいることができます。
必ず乾燥には注意してください。ただし蒸れにも注意です。
プリンカップの上面や壁面にびっしり水滴がついているようなら蒸れすぎです。空気穴を多くするか、床材への給水を少なくしてください。
「体長(脚は含まない)と同じくらいの大きさのものを与える」のが基本です。同サイズのコオロギやレッドローチ、デュビアなどが主になります。しかし、小さいコオロギやレッドローチは捕まえるのが大変ですし、デュビアはすぐ床材に潜ってしまいます。
そこでオススメはミルワーム。
どこのペットショップにも小鳥の餌などとして安価(200円ほど)に売られています。ピンセットで頭を潰してプリンカップの中に置いておけば知らない間に食べてくれています。
頭を潰さないと床材に潜ったり、脱皮したタランチュラを噛ったりしますから頭は潰してくださいね。
タランチュラのベビーがミルワームより小さな場合は、ハサミでカットして与えます。ピンセットでちぎってもいいですが、専用のハサミを用意しておくと便利です。
ミルワームは扱いやすく、安価で、管理も楽です。オススメ。
(※冷蔵庫にいれなくても2ヶ月くらいは常温で保存できています)
給餌の頻度は2~3日に1回くらいだと思います。最初は毎日与えてみて、翌日残っていれば取り除く。また入れる。を繰り返し餌の頻度を見ていく感じにしましょう。
あと、餌を入れる時にタランチュラのベビーの身体にあてないようにしています。ビックリしてパタタタタタと走り出すことがあります。クモが走ると結構速いのはご存知ですよね。
大きくなると落ち着くタランチュラもベビーの間は警戒心が強く走りがちです。そっと置く感じで給餌してください。
他にも爬虫類などを飼っていて、レッドローチやデュビア・コオロギなどが手元にある場合はそれらを利用しましょう。頭を潰す。タランチュラのベビーのサイズに合わせてカットするのは同じです。
タランチュラベビーに対するメンテナンスの内容としては、
・餌やり
・食べかす除去
・床材を湿らせる
などが主になります。
100均などで売ってる大きめの容器にプリンカップを入れて作業しましょう。逃げ出した時に大きい容器があると安心です。
また大きな容器の壁面にベビーパウダー(天花粉)をはたいて置くとタランチュラのベビーは壁を登れずに容器の中に留まらすことができます。
脱走防止の対策としてオススメの方法です。
種類によって差はありますが、餌を食べなくなると脱皮の準備です。ベビーの間は頻回に脱皮して大きくなろうとします。
その際、裏返るんですが、決して触らないようにしましょう。
できれば、振動も避けたいところです。
これもプリンカップなら観察しやすいと言うわけですね。
脱皮直後は餌を食べません。身体もやわらかいので、コオロギなどの肉食昆虫だと逆に囓られて死んでしまうことがあります。
・餌を食べない(拒食)。
・腹部が黒くなる。
・床材に糸を撒いている。
などがあります。「脱皮かな?」と思ったら乾燥に注意し、餌をひかえましょう。餌を入れるとしても必ず頭を潰しておくと安心です。
脱皮後もしばらくは餌の頭は潰すようにしておくと安心です。
ベビーの間は死亡率も高いです。タランチュラもクモですから子だくさんです。自然界ではそのうちの一部が生き残るわけですが、飼育下においてはほぼ全てが生き残ります。
そうなると人間と同じように体が弱い個体にあたる可能性があります。
そのような個体をお迎えしてしまえば突然死んでしまうこともあるわけです。
また、 タランチュラにとって脱皮は命がけですから。 頻回の脱皮も生存率に関わってきます。
ショップでは「ちょっと育った安心サイズ」があったりしますので、チェックしてみて下さい。
チャコジャイアントゴールデンストライプニー(学名:Grammostola pulchripes)
餌食いもよく飼いやすい地表棲タランチュラ。安価でオススメ。
チリアンコモン(学名:Grammostola porteri)
おとなしく扱いやすい地表棲タランチュラ。今は流通が少なく若干高価。
グリーンボトルブルー(学名:Chromatopelma cyaneopubescens)
巣を作るタイプの半樹上棲。たまに腹部の刺激毛を蹴ってくることもあるが、美しい姿をよく観察できる。
アンティルピンクトゥ(学名:Caribena versicolor)
樹上棲タランチュラの中でもっとも大人しい。ベビーから生体まで全期間において美しいが、引きこもりがち。
ブラジリアンブラック(学名:Grammostola pulchra)
地表棲タランチュラ。若干高価であるが、かなり飼いやすく。漆黒の姿も美しい。
上の5種を検索してみて下さい。
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[…] 今のところ、餌は扱いやすいミルワームです。 […]